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2006/04/10

仮想BTRON戦記その2

1986年7月には、1993年度から全国の中学校で実施予定された「情報基礎」科目のため、文部省と通産省の合同で「コンピューター教育開発センター(CEC)」が設立された。

ここで、欧州諸国の実情を参考に標準機の制定が論議され、仕様の研究を開始。
「新技術への取り組み・互換性の確保・教育用への配慮」の大筋を決める。


プロジェクト開始当初から坂村氏はBTRON用電子ペン開発をワコムに依頼していたが、1987年には電磁授受作用方式による開発に成功。BTRON用タブレット研究の中で生まれた技術で、小型化・信頼性向上が進むブレークスルーとなる。

現在ではマイクロソフトのタブレットPCに標準で使われているのが皮肉である。


1986年は富士通は前年頃からミニコン向けTRONチップの研究を始めていたが、坂村教授の仲介で春から共同開発の話し合いが始まり、1987年には三菱も加わることとなる。

1987年5月松下がマイコンショウに、BTRON搭載パソコンを出展し、一般に公開。

1987年7月通産省、TRON採用をメーカーに説得

TRONに対する評価と、外国ベンダーOSへの疑問、一部のパソコンやOSのメーカーによる独占への懸念から、通産省にTRON支持の声が表面化。各企業にTRON採用を働きかける。

これからPC9801でイケイケとなるNECがMS-DOSを主張して反発。


そして、この時 いわゆる「TRON4部作」怒涛のリリースがあった。
俺は全部読んだから君も読め。特に『TRONを創る』と『TRONからの発想』は今でも役に立つから絶対読むこと。


『TRONからの発想』1987年2月27日第1刷発行
著者坂村健
発行所株式会社岩波書店
ISBN 4-00-005731-6 C0055 \1500E

『TRONで変わるコンピュータ』昭和62年4月25日初版発行
著者坂村健
発行所株式会社日本実業出版社
ISBN 4-534-01241-1 C0055 \1200E

『TRONを創る』1987年6月15日初版1刷発行
著者坂村健
発行共立出版株式会社
ISBN 4-320-02366-8 C3041 \1800E

『TRON概論』1988年6月20日初版1刷発行
著者坂村健
発行共立出版株式会社
ISBN 4-320-0240-5 C3041 \1800E


1988年あたりの雰囲気では、ようやくOS/2、Windows386、BTRONがスタートライン上に並んだところだったといえる。
MS-DOSにこれ以上の未来がないのはあとからみればわかることであって、この後の4-5年はまだまだPC98DOS全盛期であり、他は極論すれば役立たずのオモチャでしかなかった。

まだ、世の中的にはオフコン全盛でもあり、マッキントッシュはオモチャからヨチヨチ歩き、UNIXは泥沼の分裂状態に陥っていく真っ最中であり、日本語ワープロ専用機はまだまだかなり高価だった。

結論としてはこの10年後に紆余曲折を経て、パソコンはWindowsということに一応落ち着くわけだが。
 まあ、CPUだってX86アーキテクチャが生き残るとは思ってるやつのほうがこの時点では少なかっただろうし。


10年以上前のパソコンがMS-DOSだったり、Windows3.1だったり、MS-Officeスイートのバージョンが4.2ぐらいのころだったら、BTRONというのはそこそこ有利といえる点もあったと思う。


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