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2005/08/26

NHKスペシャル・日本の群像 内容予想 その3

(その2から続き)


まさに「文明の衝突」の技術版といったような様相を呈している。

代表的なものが、コンピュータ上で表示される文字を規定する国際規格のユニコードだ。

ユニコードは当初、漢字を利用しない欧米圏主体で制定されたため、漢字表示に不具合が発生する懸念が強く表明された。現在でも、その画面に表示される氏名や地名、電子的に再現した歴史文書における字形のズレに対する不具合は多いとされている。


ISOは単なる工業規格から、業務や生活や文化のありかたを直接的に規定する標準規格へと変貌しつつある。

国際社会で元になる規格を制定するための主導権を得るには、提案国の総合力として文化度・政治力、なにより制度設計における哲学が国際標準制定の場で問われることになる。

トロンプロジェクトの一部であるBTRON規格は、その普及期に米国からの政治的圧力に屈し、世界的標準を目指すことを事実上断念させられた苦い経験を持つ。

皮肉にも、BTRON規格を実現した超漢字というOSでは、そうした文字表示に関する問題は起こらない。
漢字文化圏である日本が主体となり文字コードを作成したことで、充分に配慮された実装となっているためだ。


ユビキタスIDとEPCグローバルの電子タグに関するコード体系標準化競争も、生活に密接に関わる規格であるため、同様の問題をはらんでいる。


標準の決まり方というのは、通例公的機関等が定めるデジュア・スタンダードと、企業が独自に定める事実上の標準、デファクト・スタンダードに大別される。


1990年代に主流を占めたのは、事実上の標準、デファクトスタンダードであった。

代表的な例としては、かつてのIBM汎用機、そしてインテルとマイクロソフトが抑えたパソコンの規格である。

デファクトスタンダードは、ラフなコードと合意で実際に動作するものをベースにするため、規格制定の動きが速い。

インターネットの通信規格であるTCP/IPもデジュア・スタンダードとして制定されていたOSIを破り、米国主導によるインターネットの運営体制を現実のものとした。


半面、私企業が制定する標準は、プロプラエタリといわれ、技術的ロック・インが起こりやすく冨の偏在や開発情報が公表されにくいことによる開発体制からの不当な排除が起こりやすいとも言われている。


そのため、規格自体は公平に共有・公表し、規格が複雑になりすぎたり、制定に時間がかかりすぎないようにするための中間的な動きが起こりはじめた。

フォーラム、コンソーシアムなどの任意団体による規格作りである。
さらに開放的なオープンソースといった運動もある。


こうした任意団体から国際的標準規格を作成しようという動きのひとつが、坂村教授が主導するT-Engineフォーラムである。

(その4に続く)

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