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2004/12/23

「キャズム」とBTRON

ジェフリー・ムーアという人の「キャズム」という本を読んでみた。

ITRONやCTRONは、ある意味強者というか、徹底したリサーチの上に組み立てられ、成功を義務付けられていたようなところがありましたが、BTRONは色々なことがあって現在はまあ誰が見ても弱者なわけです。

テクノロジー・ライフサイクル(プロダクト・ライフサイクルでもいいけど)には五つの段階があって、

導入期-成長期-(キャズム)-成熟期(前期)-成熟期(後期)-衰退期と分類される。

横文字で言うと

イノベーター(革新者)-2.5%
    ↓
アーリー・アドプター(初期採用者)-13.5%
    ↓
キャズム(深い溝)Chasm
MOTで言う「魔の川」「死の谷」「ダーウィンの海」のことですかね?
    ↓
アーリー・マジョリティ(前期追随者)-34%
    ↓
レイト・マジョリティー(保守派)-34%
    ↓
ラガード(懐疑派)-16%

となる。
横のパーセントは、ベルカーブというか正規分布を切り分けた結果ですな。

要は、メジャーになるためにフツーは乗り越えられない壁があって、それをキャズムと名付けたんだけど、キャズムを突破するには(超訳すると)ランチェスターの第一法則が有効だよという話。
まあ、キャズム越えをノルマンディー上陸作戦に例えているので、そう的外れな話でもないでしょ。

ランチェスターの第一法則(弱者の戦い方)

1.局地戦を選ぶ。   (ニッチ市場で戦う)
2.接近戦にもちこむ。 (似たような機能を作りこむ)
3.一騎討ちの型にする。
4.兵力の分散を避け、1点集中主義をとる。
5.相手を油断させるための陽動作戦をとる。


ただ、戦うべき相手と同じ土俵に登らなければならないし、やるからには勝てるポイントを絞る必要がある。
そのための、テスト項目と言うのがあるんだそうだ。

【5】が同じ土俵に登らせる相手というか仮想敵である。


あなたの製品(サービス)が "キャズム"を超えられるかどうかのテスト

あなたの製品(サービス)は
   【 1 】 で問題を抱えている
   【 2 】 向けの,
   【 3 】 の製品(サービス)であり
   【 4 】 することができる.
そして【 5 】 とは違って,
この製品(サービス)には,
   【 6 】 が備わっている.

   【1】 ~ 【6】 はそれぞれ,
   【1】 市場で流通している「代替手段」,
   【2】 橋頭堡となるターゲット・カスタマー,
   【3】 この製品(サービス)のカテゴリー,
   【4】 この製品(サービス)が解決できること,
   【5】 対抗製品,
   【6】 製品環境全体の機能

これをBTRONで試してみると、こんな感じか。

BTRON 原稿プロセッサ

これは,
   「ワードプロセッサの利用」 で問題を抱えている
   「作家」 向けの
   「執筆」 の製品であり,
   「原稿用紙での書き味を再現する」 ことができる.
そして「ウインドウズやマッキントッシュ」 とは違って,

この製品には,
   「すぐに書き出せる起動の早さとOSの安定性」 が備わっている.

ただ、アプリケーションとプラットフォームは別物だかんね、とも書いてある。
別になっていないし切り分けも出来ないのがBTRONの面倒なところだな。

ちなみに本に載っていた例は以下のようなものである。

シリコングラフィックス

これは,
   「撮影した映画フィルムの編集」 で問題を抱えている
   「フィルム編集技術者」 向けの
   「デジタル編集システム」 の製品であり,
   「映像をいかようにも作り出す」 ことができる.
そして「サン,IBMなどのワークステーション」 とは違って,

この製品には,
   「他のフィルム編集機能と接続するためのインターフェース」 が備わっている.

さて、BTRONは、どういったところで勝ち目があるのだろうか。

上記のテンプレートを参考に【5】を色々と入れ替えつつ遊んでみてほしい。

ではまた。


ちなみに参考。

ランチェスターの第二法則(強者の戦い方)

1.なるべく確率戦にもちこむ。
2.一騎討ちを避け、総合戦を展開する。
3.接近戦を避け、遠隔的戦闘にもちこむ
4.圧倒的な兵力によって短期決戦を狙う
5.敵を分散させるための誘導作戦をとる


なお、筆者はいまだに携帯電話も持っていなきゃ、カーナビも持っていないラガード(懐疑派)にあたる部類の人間であることを付け加えておく。

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コメント

TRONを創る これ最強。

投稿: halftable | 2004/12/26 00:57

>BTRONは、どういったところで勝ち目があるのだろうか。
直に勝ち負けにつながるかは、わかりませんが、
『TRONの理念』の一つ『教育』も、考えてみたら面白いかもしれませんね。

そこで『えふとろん』の中の人にお願い、
もしあなたが15、6才で『OS作成』がしたいと思った場合、
必要な知識(書籍/サイトなどの情報)は、なんだと思いますか?

詳細は、最近私がはじめたココログ、
『斗論日報2』
http://naga.tea-nifty.com/tt2/
の、
『15・16の若造』と『TRON』の謎
を参照(笑)。
(開始二日目にして、もうネタ切れ…)

投稿: 長濱 | 2004/12/24 16:52

ここのブログなんざ差し詰め
   「TRONマニア人生」 で問題を抱えている
   「ネットワーカー」 向けの
   「息抜き&楽しみ」 の製品であり,
   「現実逃避と妄想する」 ことができる.
そして「2ch」 とは違って,安らぎが備わっている(^^;)とかですか。

うーん、『シの谷』は越えられないかなぁ。

投稿: リチャード・王 | 2004/12/24 11:00

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他社との差別化・・・これが会社をつくる上で非常に重要なものになってくる。そこでキャズム回避定義をいうものを創業して1ヶ月でつくってみた。 キャズムとは、会社が成長するときに対面する落とし穴だ。 このキャズムつまり落とし穴が深いと会社は這い上がれなくなり、 消滅に向かう。つまり、他社との差別化要因が鮮明でないために 競争に勝てなくなり、会社の意義を問われるわけだ。 まずは下記のように考えた。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・... [続きを読む]

受信: 2005/04/23 22:50

» ★★☆☆☆「キャズム」ジェフリー・ムーア、翔泳社(2002/1)¥2,100 [本のソムリエ提供「一日一冊:読書日記」]
いつも応援ありがとうございます。今日は何位になっているでしょうか?----------------------------今朝のカザフスタン・ウラルスク:9時-5℃:晴れ----------------------------カザフ犬です。(ウソ)外国の犬はかっこいいですね。今日から、画像を大きくしてみました...... [続きを読む]

受信: 2005/11/23 14:41

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